9月3日(土)
阿南市戦没者遺族追悼式
阿南市長様はじめ坂千代徳島県遺族会会長ほか多数のご参列を仰ぎ、阿南市戦没者追悼式を、厳かに挙行していただき感謝いたします。

戦後、77年の歳月が過ぎ、戦争体験を次世代に継承していくことは大きな課題となっています。私も、「次世代への継承」と言う「たすき」 を、受け取ったばかりです。
徳島県戦没者記念館には8,117名の戦没者の遺影が展示されています。戦没者は、祖国の安泰と平和を願い、若くして尊い命を国のためにささげられました。
戦地では、いかに懐かしい故郷の山や川を思い、優しい家族を夢に見たことでしょうか。ここに諸霊の御前にぬかずき往時をしのびますとき、今なお、新たな悲しみと痛恨の情を禁じ得ません。ひたすらご冥福をお祈り申し上げるしだいです。
私ども遺族は戦後の混乱の世相の中で、遺族会を結成し、戦没者の慰霊顕彰と遺族の援護促進のために一致団結し、戦没者遺族として最愛の肉親を失った悲しみに耐えて一心不乱にお互い助け合って懸命に生きてまいりました。
おかげさまで今日の物心ともに安定した生活を取り戻すことができましたのは、周りの方々の温かい思いやりと諸霊のご加護によるものと衷心より感謝申し上げます。
昭和20年8月15日、戦争は終結しましたが、私としては真珠湾攻撃から3年8ヶ月の歳月からの戦争終結。
この戦争の歴史を振り返ると、東海の孤島、日本が、多数の大国を相手に無謀にも大戦争をしたものだと思うばかりです。
戦争のない平和な時代を、二度と我々のような戦没者遺族を出さないために、大戦を知る遺族として、罪のない一般市民まで巻き込まれる戦争の悲惨さと恐怖、平和の尊さ有り難さを万世にわたり語り続け継承してまいらなければなりません。
恒久平和こそ人類の経済・文化発展の基礎であり、今日における平穏な生活が享受できますことは戦没者諸霊の尊い犠牲の礎の上に築かれたものであることを忘れず心に深く銘記し、改めて尊崇の誠をささげ追悼の言葉といたします。
令和四年九月三日
阿南市遺族連合会 会長
武田光普
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